スペインのサッカー

最高の試合が見られる!?スペインサッカーで最も盛り上がる時期

スペインのサッカーは日本のようなトーナメントに注目が集まるような形式ではなく、年間を通じたリーグ戦がメインです。

カテゴリーによりけりですが9月から6月頭までの約9ヶ月間で32~38試合を戦うわけです。それだけ試合がある中でもちろん毎週末試合の試合を全て観に行けるに越したことはないですが、それは不可能ですよね。

ではどの試合を観るべきなのかという判断材料は人それぞれでいいのですが、パッと対戦カードをこちらに留学に来た指導者や選手が見てもわからないと思います。なぜならそこには歴史や対戦相手同士の関係性など様々な要素が絡んでいるからです。

その判断についてはまた後日紹介しますが、ではどの時期の試合が面白いと思いますか?

何をもって最高というかは難しいところではあるのですが、チームの戦術的に成熟している、そして緊張感と高揚感であふれている時期、それがシーズンの最終盤です。残り1節、2節のこの時期の試合は非常に面白く、観る価値があります。

今回はこのシーズン最終盤の時期に見るべき試合について紹介していきます。

絶対に見るべき昇格のかかった試合

この時期の試合で観るべきものの筆頭に上がるのは何と言っても昇格のかかった試合でしょう。特に今シーズンのリーガ2部は激アツでした。最終節でアルメリアが首位。同ポイントでエイバルが2位、2ポイント少なくバジャドリードが3位。

この3つのうちの2チームが1部へ昇格、1チームはプレーオフに回るというまさに天国と地獄とも言える状況。途中経過はエイバル引き分け、アルメリア負け、バジャドリード勝ちという状況。そして89分の時点でエイバル引き分け、アルメリア引き分け、バジャドリード勝ち。このままいけばエイバルとアルメリアが昇格。しかし、ロスタイム。エイバルが失点。残り数分のところで昇格を逃し、バジャドリードが逆転で昇格というドラマのような展開に。

少し長く説明しましたが、こんな展開の試合がプロ以外でも見られます。

先日見た試合は県3部リーグ大人の最終節。首位対2位のチーム。勝った方が昇格&優勝という熱い試合。みなさんふと思いませんでしたか?県の3部の試合かよと。

そう思われた方はこちらの写真を見てください。

県3部の試合に1000人を優に超える観客が入っているんです。これは本当にこちらのサッカーの力を感じさせられます。

ちなみに試合は首位のチームのホームだったのですが、前半20分に1人退場者を出してしかも1点ビハインドで絶対負けるだろというような試合。しかし首位のチームは1人少ない状態から果敢に攻め続け、最終的に21で逆転勝利。ものすごい試合でした。

この時期の試合でまず感じてもらいたいのはサッカーの戦術や技術レベルではありません。サッカーの熱量と、戦うというのはどういうことかという2点です。日本ではまず見られない光景がそこには広がっています。それを観て感じることが、実はサッカーの戦術や技術を語る以前に大切なことだと気付かされます。

そしてその後に技術と戦術レベル。昇格を争うということはそれだけ個人が優れているか、チームとして完成度の高いかのどちらか、もしくは両方が備わっているかです。理由もなくそのポストにいるということはありません。なので昇格レースの試合は見る価値が高いのです。

熾烈を極める降格圏の戦い

昇格争いと引けを取らぬ面白さを見せてくれるのが降格争いです。チームとしての完成度や選手のレベルを見てもやはり昇格争いをしているようなチームとはレベルが下がるということは言うまでもありません。

しかしその中でも見ていて面白い試合というものはあります。

その最大の魅力は「崖っぷち」

この崖っぷちをどのように歩くのかを見るというのは指導者を目指している人も選手も参考になります。つまり落ちないように守備的に臨むのか、逆に割り切ってアグレッシブに攻めに行くのか、監督の特徴が出る試合とも言えます。

勝たないと残留できない、けれども負けたらもうそこで終わり、このギリギリの緊張感の中で戦うというのは非常にメンタル的に試されるところでもあり、見ていてもそれが伝わってきます。

試合的にはそれゆえに少し硬い試合になりがちなのですが、昇格を目指す試合とは違ったこのネガティブなモチベーションをどう操るかというテーマでは非常に勉強になる試合です。

ちなみに私のチームは今シーズン残り2節で残留が決まったのですが、降格圏に長くいるチームの雰囲気、操縦の難しさを痛いほど味わいました。

降格になるチームが出るというのもサッカーのリーグ戦の醍醐味の1つですので是非ともこの時期の降格争い、注目してみてください。

最後のチャンス、プレーオフの魅力

もう一つ注目してもらいたいタイプの試合がこの時期にはあります。それはプレーオフです。プレーオフとはリーグ戦の結果で直接上位リーグに上がることはできなかったけれども、まだ昇格のチャンスがあり、他の地域の同位のチーム同士が争い、その中の1チーム(カテゴリーによっては2チームの場合もあり)が昇格することができるというものです。

この試合は多くの場合一発勝負です。負けたら終わりのハラハラドキドキする戦いが繰り広げられます。

そして何よりこのプレーオフの1番の魅力は「違う地域同士の試合を観ることができる」ということです。

カテゴリーによって分けられた地域同士が戦うので普段観に行けない遠い地域のチームの試合が観られるということです。そうして他の地域のサッカーに触れるというのも指導者として、また選手としても幅を広げることができます。

また、昇格がかかった試合ですので、その熱量の高さというのもやはり魅力です。

その証拠に、エイバルが直接の昇格を逃したと先述しましたが、リーグ戦の全日程が終了し、今はプレーオフを戦っています(202265日現在)。そして次節がホームでの試合なのですが、なんとチケットが売り切れ。そんなことは滅多にありません。チケットが売り切れるのはマドリードやバルセロナがホームに乗り込んできた時くらいなので、それくらいの、いやそれ以上の注目度がある試合だということで。

これを想像したら少しプレーオフの関心度の高さがわかるかと思います。それだけ関心が高い=観なければいけない試合の1つだということですね。

観るべきではない試合

ここまでは観るべき試合について紹介してきましたが、当然観なくてもいい、いや観るべきではない試合もあります。

それは「何もない試合」です。どういうことかというと、残留が決まっている同士の試合です。この最終盤で残留が決まっている、なおかつ昇格もない。では何のために戦うのかというと目標とするものが何もないのです。

この状態の選手たちに「君たちが成長するためだ」とか「来年度に向けて頑張るんだ」なんてことを言っても響きません。日本の選手だったらそれで頑張りますが、こちらの選手はそうはいきません。

なのでこの時期の残留決定同士の試合、これは観てはいけません。時間の無駄になってしまいます。

しかし、例外があります。それはプロクラブチーム同士の試合です。育成年代の話ですが、プロクラブ同士の試合、もしくはプロクラブがプレーする試合はやはり質が高くなります。例えば私の住んでいるバスクでいうと、アスレチック・ビルバオの下部組織がプレーする試合は観る価値があるということです。

対戦相手が残留が決まっていたとしても、このアスレチック・ビルバオとやるというのは特別なことなのです。またアスレチック・ビルバオの選手からすると真面目に、真剣にやらないと来年クラブに残れるかわかりません。なので必然的に強度も上がり、質の高いプレーが観られるということです。

いかがでしたでしょうか。今回はリーグ戦最終盤に観るべき試合について紹介してきましたが、この時期にサッカーの指導者研修できたり、また留学中の選手・指導者の方はこれらの点に注意して是非とも貴重な時間をより良い試合を観られるようにしてみてください。

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