スペインのサッカー

ワールドカップで対戦するスペインの驚くべきサッカー文化



 

2022年カタールワールドカップでスペインと予選グループ同組になった日本。日本では死の組に入ったと言われていますが、現地では予選突破は確実だろうと、普通の安定した組に入ったと報道されています。

そりゃそうですよね、日本にとってはドイツとスペインという競合と同じグループなのですから予選突破は普通に考えたら非常に難しい。

FIFAランキングもスペインは7位とトップ10入りをしている今回のワールドカップの優勝候補の1つ。

そんなスペインに住んでいて、お世話になっている国と母国ワールドカップで対戦するというのはなんだか不思議な気分ですが嬉しさを感じます。

もちろん日本に勝ってほしいですが、そんなことこちらのサッカー文化を見ていると軽々しく言えないなと直接触れていると感じてしまいます。

今回はそんなスペインのサッカー文化について、現場レベルではない目線から紹介していきたいと思います。

どこでもサッカー!?子どものサッカー人気

日本に一時帰国したとき、サッカー関係の方々から「この公園ではボールを蹴ってはいけません」「この路地ではボール遊び禁止」という張り紙や看板が増えて

いるという話をよく聞きます。実際に私の地元の方でもちらほら見かけます。

確かにわかります、ボールが飛んでいって物が壊れたり、交通事故に遭ったりもしますので危険です。

スペインではどうかというと、これがまた凄いです。そのような張り紙がないのは当然ですが、どこでもお構いなしにサッカーを始めます。

例えば路地裏でサッカーのミニゲームをしていてボールが道路に飛んでいくなんてこともよく見かけますし、最近見かけたのはお店のガラスのショーウィンドウに壁当てのようにボールを蹴っている女の子がいたり。これを見たときに「これは凄いや」と思いました。なぜなら女の子が普通にサッカーボールを持って一人で遊んでいる、しかもガラスに向かって蹴る笑 日本では見られない光景です。

他にもこんなことがあります。

試合会場で(セミプロの試合)グラウンドに試合球でないボールがコロコロ。。。誰のボールだと思ったら子どもたちが観客席の通路でミニゲームを始めてしまっていてそれが飛んできたようでした。これを見た大人は当然注意「おい、君たち、ボールをグラウンドに入れるんじゃないよ。入れないようにやりなさい」ずっこけました笑 ボールを入れなければやってもいいのねと。

そしてハーフタイムや試合後には恒例の子どもたちがグラウンドに流れ込んでボールを蹴って遊びます(上の写真)。日本だったら確実に怒られる、もしくは誰もやらないやつです。ハーフタイムに関しては完全に選手の邪魔をしていますから笑

それでも許されるくらい子どもたちのサッカーに対する熱を容認している、もしくは普通のことなんですね。

サッカーを語るおじさんたち

バルに行くとどこでもサッカーが流れているというのは何度か記事でも紹介したと思いますが、バルでサッカーを観ている人もいれば、友人たちと会話を楽しんでいる人もいます。ですがそこにサッカーの試合があるというのが大切で、得点シーンになると皆ふっと画面を見て注目します。日本の居酒屋にはない、サッカー大国の文化ですね。

私は行きつけのバルで地元のおじさまたちに囲まれながらサッカーを観ているのですがサッカーを観ながらよく語りかけて来てくれます。

「あのディフェンスはダメだ、マークのつき方がわかっとらん。」「この選手は昔もっとこうだったのにな、上手くなったもんだ」などなど技術や戦術の話から、選手の移籍や若い頃のプレーなどまで様々な話が飛び交います。これを初めて聞いた時は素直に凄いなと思いました。私も日本の有名な選手の情報くらいなら言えるけれども、こちらの人たちはマイナーな選手についても情報を持っているという、どんだけサッカー見てるんだと思うくらいです。

そんなおじさんたちにプレーを昔していたのかと聞くと「いや、してなかったよ」という人もちらほら。

先日は70代くらいの方ともサッカーについて語りました。みんなサッカーについて話し出すと止まりません。そしてお互いに違う意見を持っているものですから少し言い合いみたいになったりもするくらいサッカー熱の強さを感じます。

試合を見にくる人たち

この写真を見てください。

私はこの風景を見たときに「この国には数十年後も敵わないだろうな」と思いました。地元の大人4部の試合を応援するためにこの年齢の方がスタンドに座っている。そして試合中は声を荒げて文句を言ったり励ましたりしている。

別に孫が出ているわけでもなんでもありません、ただ地元のこのチームに対する愛情がスタジアムへと足を運ばせているのです。

こんな方々がこちらではどこでも見ることができます。それくらいみんなサッカーが、そして自分応援するクラブが好きなんですね。

試合を見に行くという文化は大人だけではありません。ここがこの国の強さの秘訣です。

中学生、高校生の試合があったとき、皆さんは応援しにいきますか?高校サッカーの全国大会とかではなく、県のリーグ戦です。行きませんよね。親ですら行かないことが多いのではないでしょうか。

こちらはその点が圧倒的に違います。どのカテゴリーの試合を見にいっても必ず観客がいるのです。先日自分のチームが試合をしたときは300人以上は入っていました。ちなみに高校年代の県3部のリーグです。そこに来る人たちは家族、友人、他のカテゴリーの指導者、地元の人などいろんな人たちが観に来るのです。そんな観客たちは静かには試合を見ません。罵声を浴びせたり騒ぎまくります。そんな中でサッカーをするのですからそりゃ強くなりますよね。

小学生たちの試合でも観客はいます。基本的には送り迎えをする親たちです。

そしてその親達が選手を応援する光景を見て私は当時衝撃を受けました。

「打て!!」「おい審判どこ見てるんだ!!」などなど様々な罵声や応援、具体的な指示みたいなことまでもスタンドから投げられます。日本ではそのような行為を禁止している傾向にあるので、私はそのギャップに驚くと共に戸惑いました。「こちらの子どもたちは小学生年代からこのプロみたいな環境で、雑音もサッカーの一部としてプレーしている、しかし日本はその逆に行こうとしている、一体日本のサッカーはどこに向かってるんだろいるんだろうか。。。」と。

もちろん賛否両論ありますが、そういうサッカーの文化だということです。

スペイン代表は応援しない!?

日本がスペインとの対戦が決まった日、練習でグラウンドに行くと多くの人から「俺は日本を応援するよ」と言われました。ありがたいのですが、なんで?と思いますよね。私の住んでいるところはバスク州で元々はバスク国として独立していた国だったのです。なので、「私たちはスペイン人じゃない」という感覚が強いのです、実際彼らはそう言っています。

なのでスペイン代表に対しても応援しないよという人が結構います。実際に2018年のロシアワールドカップの時には私は衝撃を受けました。スペインにその当時から住んでいたのでワールドカップだからサッカー大国スペインは大変な盛り上がりを見せるのだろうと思っていたのですが、その話題すらそこまで出てこないほど冷めた雰囲気。それくらいスペイン代表には興味がないのです。

これはバスクだけではありません。マドリードとそれより南の地域は比較的スペイン感が強いのですが、その他の地域はスペイン色は薄くなります。これは歴史的な問題なのでここでは書きませんが、スペイン代表は強いものの国としてはあまり応援されていないということです。その面では日本の方が上かもしれませんね。

このようなサッカー文化を持つ強豪スペインに日本は勝てるのか、11月に開幕するワールドカップに注目です。

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