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コパ・デル・レイの地方開催を見に行ってみた-想像以上の驚き-

皆さんはスペインのコパ・デル・レイ(国王杯)をご存じでしょうか?日本で元旦に決勝が行われる天皇杯と同じようなカップ戦です。

このコパ・デル・レイ、今スペインで熱いイベントの1つとなっています。それは2年前からレギュレーションが変わったことが大きく影響しています。

今回はそのコパ・デル・レイを実際に見に行った感想とともに、何が変わったのかを伝えていきます。

一発勝負ならではのジャイアント・キリング

日本の天皇杯では、大学のチームやJFLなどアマチュアが参加して、時々ベスト8まで勝ち進み盛り上がるというようなことがありますよね。しかし、コパ・デル・レイではアマチュアチームは参加しないのでその点でまず日本のものとは異なります。

コパ・デル・レイは4部のチームまでが参加することができ(3部、4部は上位チームのみなど参加条件あり)、今まではベスト32からホームアンドアウェーで行われていました。大体1部のチームが出てくるのもその前くらいからで、1部、2部のチームに3部、4部のチームが勝つというようなことはほとんど起こりませんでした。

しかも、ホームアンドアウェイだったため、年間の試合数がかなり多くなってしまい、広角の危機にあるようなチームはわざと負けてリーグ戦にだけ集中するというようなこともあり、そのため盛り上がりに欠けていたんですね。

私が初めてコパ・デル・レイを見に行った時はまさにそのような試合でした。アスレチック・ビルバオの試合だったのですが、その年は降格するかもしれないという危機で、コパ・デル・レイでは明らかにメンバーを落とし、やる気の見られないサッカーをしていました。

もちろん結果的にその試合は負けて、リーグ戦に集中させて残留を勝ち取ったわけですが、そんな試合が横行していたので、見ている方も「コパ・デル・レイは見る価値がないし、やる価値すらない」と言われていました。

そのような批判もあってか、レギュレーションが変わり最初から一発勝負の戦いに。これが大当たり。ジャイアントキリング(格下のチームが格上に勝つ)があちらこちらで起こる事に。

昨年度はアトレティコマドリードが3部のチームにベスト32で負けたり、レアル・マドリードも3回戦で3部のチームに負けるということが起きています。なかなか想像できないですよね、あのレアルが3部に負けるなんて、いくらメンバーを落としていたと言えども、普通にマルセロとかも出ていました。

これがホームアンドアウェイだったらなかなか起こり得ないんですね。このジャイアント・キリングが生まれようになったというのはかなり大きな変化です。

地元への還元と想像以上の盛り上がり

もう一つの大きな変化は、一発勝負の会場が格下のチームのホームスタジアムで行うということです。

そして1部のチームも2部のチームも1回戦から戦います。そのため、どうなるかというと、レアル・マドリードやバルセロナが自分の地域にやってきて試合をするということです。もう少し想像して見てください。日本で言うなれば川崎フロンターレが自分の近くに住んでいるクラブの人工芝のグラウンドでガチンコの試合をするというイメージです。

すごくないですか?それは盛り上がりますよね?実際に大いに盛り上がっています。

今回私が見に行った試合は、レイオアという近くの4部のクラブとリーガ1部のエルチェとの試合でした。

チケットはなんと20ユーロ。普通にリーガの試合を見にいけば最上部の席でも40ユーロ以上はします。それだけでも激安で嬉しいところなのですが、レイオアのクラブにとってもお客さんが満員レベルに入り、地域の人たちもその話題で持ちきりになる。人が動くということはその周囲のお店も潤うというクラブにとっても街にとってもいいことしかありません。

リーガエスパニョーラのチームを間近で見られる

ここからは実際に見に行った感想を少し書いていきたいと思います。

まず、地方のクラブならではなのですが、ピッチ脇から試合が見られるというなんとも贅沢な距離でリーガ1部のプレーを見ることができます。これは本当にすごいことで、ピッチまでの距離は1m。そんな距離で見ることができるので、リーガ1部の選手の目線や細かい体の向きの修正や駆け引きなど、普段絶対に見ることのできない細部が見ることができます。

もうこれを見るだけでも行く価値があります。本当に学びだらけです。

ちなみにエルチェの試合と先程書きましたが、エルチェというチームを知らない人も多いかと思います。しかしそのメンバーにはアルゼンチン元代表や強豪クラブでやってきた選手など名だたる選手たちが名を連ねています。実際4部のレイオアと比べると選手の質の違いというのはこういうものかと感激するほど違いがわかります。

個人の質の違いを間近で見られるという魅力の他にも、チームとしての質の違いというものも間近で見ることができます。

開始から20分くらいまでは地元のレイオアがホームの利もあって押していましたが、そこからチームとしてエルチェが対応をしてきます。そして気づけば完全にエルチェがゲームを支配してしまっているんですね。これを見た時「これはレベルが高いや」と素直に思ってしまいました。

スペインにサッカーの試合を見る目的で旅行に来る人は非常に多いですが、本当にサッカーを学びたいと思ってくるのであれば、このコパ・デル・レイの試合の日程をチェックしてくることをお勧めします。90分間学びだらけです。

地方開催ならではの文化

この地方で開催されるコパ・デル・レイはサッカーの技術、戦術的な部分以外にもいろんな現地の文化が見てとれるのが面白いところでもあります。

見てくださいこの観客たちを。

このレイオアというクラブの下部組織の選手たち、地元の人たちでグラウンドの周りをぐるっと囲い、狭い観客席にも所狭しとパンパン状態に入っています。

これだけの人たちが自クラブを応援するというのですからその雰囲気は凄まじいものです。

そしてこうやって育っていった子どもたちがクラブの大切なファンとなって将来的に支えていくというそういう構造も見て取れます。

何より、小さい頃からリーガ1部の選手を、そして自分のクラブのトップチームの選手の試合を至近距離で見ることができる、それがこの国のサッカー文化を物語っていますよね。日本では見られない光景です。

さらに、面白い文化があります。試合終了間際になると試合中にも関わらずアナウンスが入ります。

「試合終了後はピッチに入らないようにしてください」

ん?と思いませんか?そりゃピッチに入らないでしょうと。もし入ったもんならば日本であれば大問題になってしまいますよね。

しかし、こちらでは驚きの光景が。そんなアナウンスがあったにも関わらず、試合終了後ちびっ子達がピッチに流れ込みます。そして何をするかというと、お目当ての選手にサインをもらいにいったり、ただ単にピッチ内でボールを蹴ったりと思い思いに楽しんでいるのですから面白いものです。

もちろん、それを見た警備員は形式上ダメだと言って回りますが、もうカオス状態。止めることはできません。

これはコパ・デル・レイの試合に関わらず、大体の試合のハーフタイムには選手達がアップしているのにも関わらず、子ども達は乱入。乱入というよりも当たり前なのでしょう、普通にボールを蹴って遊んでいます。これは日本にはありませんね。非常にいい文化だなと思います。それを怒らない大人達も、サッカーを好きな子ども達を止めたくないのでしょう。

今回はコパ・デル・レイの地方開催を実際に見にいった感想やその魅力をお伝えしました。先ほども書きましたが、もしこちらにサッカーを学びにくる際にはコパ・デル・レイの地方開催、要チェックです。

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