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コロナ禍でのスペインリーグの大変化

202021シーズンはサッカー界のみならず全てのスポーツでイレギュラーなシーズンとなっています。言わずもがな、コロナの影響です。

日本においても大会が中止になったりしたという話を聞きますが、大好きなサッカーを取り上げられるというのは辛いことですよね。

昨年9月から始まっているスペインのリーグでは、コロナに対応すべく様々な変化を加えてなんとか開催、終わらせようという動きがあります。今回はそんな現状をお伝えしていきます。

プロリーグ

世界最高峰リーグの1つであるリーガ・エスパニョーラ。このリーグに関しては通常運行をしています。今はもう後半戦の後半に入ってきており、さぁ優勝は、降格はどのチームになるのかと佳境を迎えています。

その1つ下のリーグであるセグンダA、柴崎岳選手が所属しているレガネスなどがいるリーグですが、こちらも通常運行をしています。

そのため両リーグとも降格もあれば、セグンダAは昇格もあります。

それじゃいつも通りかと思うかもしれませんが、唯一の違いは「無観客」での試合だということ。

この無観客であることはかなりの影響をクラブ、チーム、選手に与えています。まずクラブに関しては観客を動員することによるチケット収入、それに付随してくる収入がゼロ。これは厳しい。。。何十億という利益を失ってしまうのですから。

チームにおいては、ホームでのメリットである1つが消えてしまうことです。日本ではあまり感じませんでしたが、こちらではホームとアウェイの差が明確に出ます。

それはなぜか、スタジアムの雰囲気です。アスレチック・ビルバオのホームスタジアムであるサン・マメスに5万人の観客が入って相手に容赦のないブーイングを浴びせ、自チームの選手に対しては暖かい応援をします。それがあるのと全くないのでは雲泥の差があります、なぜなら相手チームは無観客ではストレスフリーな状態で試合ができてしまうのですから。

よくこれを目に見えない力だという方がいますし、それを信じない方もいますが、今シーズンの様子を見ていると目に見えないけれども、その場の雰囲気が左右しているということは明確です。

最後に選手に与える影響ですが、これも大きいです。「サポーターの応援は大切です」と良く決まり文句の様に言いますが、実際にとある選手に聞いてみたところ「無観客だと本当にやりにくい、けれどもサッカーをやらせてもらえるだけありがたい」と言っていました。やはり選手にとってもサポーターたちが声を張り上げて応援している力というのは感じているものなんですね。

ややこしいセグンダBの仕組み

セグンダAの1つ下のカテゴリーであるセグンダB、つまりスペインの大人3部リーグに当たるのですが、ここまでがスペインのプロサッカーリーグで、それ以降はセミプロ、アマチュアと続いていきます。

このセグンダBは通常22チーム、全国に4つのブロックで展開されているのですが、昨年、コロナの影響でセグンダB以降のカテゴリー降格がなかったのでリーグが膨れ上がり今年は102チームで編成されています。さらにコロナの対策も踏まえ20~22チームの5つのグループに分かれ、さらにそのグループ内でA,B2つのグループに分けられています。

なぜかというと、試合数を少なくして万一ストップした時も対応できる様にするためです。

そしてここからがややこしい。

A,B各グループでホームアンドアウェーを戦い、上位3チーム、中位4チーム、下位4チームと分けます。

その後、ABの同順位同士を合体させた状態でまたリーグ戦を行うのですが、同じグループにいたチームとは戦いません。つまり、Aの上位3チームとBの上位3チームのリーグではAのリーグにいたチームはBのリーグの上位3チームとだけホームアンドアウェーを戦うということです。

ちなみに勝ち点は持ち越しのため、最初に別れていたグループでどれだけ勝ち点を取れるかというのもすごく大切です

ここまででも十分にややこしいのですが、さらにややこしいことが。

来年度スペインリーグに新たなカテゴリーが追加され、リーガエスパニョーラ(1部)、セグンダA(2部)、名称不明の新しいカテゴリー(3部)、新セグンダB(4部)、テルセーラ(5部)となります。

そのため、上位リーグに残ればセグンダAに昇格する可能性があり、無理でも新しいカテゴリーに入ります。上から3番目のリーグなので現状キープです。

中位リーグだと新しいリーグに入りますので現状キープ組と1つカテゴリーを落とし新セグンダBに分かれます。新セグンダBになると事実上は1カテゴリー降格していることになります。

そして最も恐ろしいのが、下位リーグです。ここはテルセーラまで落ちる可能性、つまり2カテゴリ一分、一気に落ちる可能性があります。残れたとしても1つカテゴリーを落とした新セグンダBになります。

ややこしい。。。しかもレベル的には別に落ちないのに新たなカテゴリーができることで事実上カテゴリーが落ちるというなんとも言えぬ厳しさ。

テルセーラ(大人4部)に関しても同じ方法でリーグが行われています。

今現在、大人の5部までリーグ戦が始まっていますが、それ以下のカテゴリーではリーグは行っていません。

高校年代のリーグ

大人のリーグの話は少し想像がついたかと思いますが、高校年代はどうかというと、また様々な方法がとられています。なぜかというとコロナでそもそも今シーズンの開始が遅れた上、第1節を戦う直前もしくは戦った後にロックダウンでストップという事情があったからです。

高校年代でもプロに近い選手達が集うリーグとカテゴリーが下のチームでは開始時期や方法が異なっていますので、そのあたりの現状を紹介していきます。

プロに近いリーグ

日本でいう高校年代のプレミアリーグと呼ばれるカテゴリーはこちらでは12月からリーグが行われています。本当だったら9月から行われているのですが、コロナの影響です。

リーグ戦のやり方はセグンダBと同じでグループを2つに分けて、上位、中位、下位で決定戦を行うというものです。

昇格も降格もあるため非常にシビアですし、しかも1つのグループの構成が9チーム。これが何を意味するかというと、1つの試合の結果が非常に大きいということ。通常の半分の試合数では後々逆転するということは不可能なため、スタートダッシュをいかに決めるか、そんなことも大切になってきます。

このリーグに関しては12月以降、ロックダウンがあってもセミプロ扱いとして練習、リーグ戦が許可されていました。

なのでこのまま今シーズンを戦い抜ける選ばれしカテゴリーです。

アマチュアに近い高校年代のリーグ

日本でいうプリンスリーグ、県リーグに関しては今年はまだ開催されていません。正確にいうと中止になりました。

そして新しい形で始まろうとしています。昇格も降格もない、しかもフェーズ1では4〜5チームによるホームアンドアウェーによるリーグ戦。その後フェーズ2では1~5位の順位に応じてチャンピオンズリーグが行われるというものです。

私のチームは県リーグ所属なので、このことを選手に伝えると、意外な反応が。

「リーグってったって練習試合に毛が生えた様なもんじぁないか」とネガティブな発言。選手達からするとこれだけ我慢して結局オフィシャルなリーグ戦がないというのは辛いことだったのでしょう。

ちなみにこの新しいリーグ戦に参加するかどうかは自由。クラブが参加表明するかどうか次第です。

中学生以下のリーグ

さて、こちらで育成年代と言われる中学生以下はどうかというと、全くリーグ戦が始まる目処は立っていません。おそらく行ったとしても小単位グループでやって終わりという様なものでしょう。

練習は現在再開しているものの、子ども達にとっては試合ができないというのは辛いことです。一番コロナの影響を受けているカテゴリーです。

今回はコロナ禍におけるリーグ戦の現状をお伝えしました。なかなか特別なシーズンですが順応してやっていくしかありません。来シーズンは元に戻ることを期待しつつ。

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