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サッカーバスク代表が国際試合を戦う

サッカーバスク代表をご存知だろうか?おそらく聞いたことのない人がほとんどだろう。

私もバスクに来るまでは聞いたことも存在すら知らなかった。

バスクは昔1つの国として存在しており、現在はスペインの中の1つの州であるが自治州としてかなりの権限を持っています。激しい独立運動も近年まで行われていたり、バスク国という意識が強い地域です。

そのバスクはサッカーにおいても、やはり1つの民族であるという意識が強く、その代表格と言えるのが、アスレチック・ビルバオの存在。

バスク出身者だけで構成されているチームはリーガエスパニョーラ1部を戦い続けている、彼らバスク人の誇りであり魂であるようなチームだ。

日本に日本サッカー協会があるように、スペインにもスペインサッカー協会があり、スペイン代表もある。

そして、日本に各地区、各都道府県のサッカー協会があるように、スペインにも州、県のサッカー協会がある。

そのバスク代表というのは、要するに、バスク州サッカー協会の管轄の代表チームであるということです。その代表チームがFIFAランキング50位のコスタリカ代表と親善試合を戦うということを聞いて、「なんだそれは?すごいな」と思い、みてみることにしました。

なんでバスク代表で戦うのが凄いことなの?

引用元:https://s1.eestatic.com/2020/11/18/actualidad/Actualidad_536958313_165378543_1706x960.jpg

バスク代表がそもそもなんで国際試合を戦うのかというと、歴史は1915年まで遡る。そんなに前からバスク代表があるというのも驚き。

その当時は主にカタルーニャ代表など、スペイン国内の他の地域の代表と戦ってたとのこと。日本で言うなれば、関西選抜と関東選抜が戦うみたいなイメージかもしれませんね。

そこから始まり、今度は資金集めも含め海外のチームと試合するようになったというのが始まり。そして今では年に一度試合を行っているとのことです。

けどよく考えてみてください、今回の試合であれば

コスタリカ代表FIFAランキング50位 vs  バスク代表 一地域の選抜チーム

これがどういうことかわかりますか?

日本でいうならば

コスタリカ代表 vs 長野県選抜(人口的な比率で)

が戦っているというようなもの。

バスク州は人口200万人程度しかいないので、その代表となると、人口200万人ちょっとの県である長野とか新潟くらい。その県選抜が1国の代表チームと闘っているんだから、こりゃ凄いと思うでしょう?

普通に考えたらボロ負けしそうなイメージ持っちゃいますよね。

ここでちょっと疑問に思った人もいるのでは?

バスク代表って、FIFAランキング何位なの?と。

実は、バスク代表はFIFAランキングは圏外というか、表示されません。なぜならFIFAUEFA(ヨーロッパサッカー連盟)に加盟していないからです。そりゃそうですよね、日本の県選抜チームが勝手にFIFAUEFAに加盟するなんて、あり得ないですからね。

けど、そんなチームが一国の代表と戦う、そして相手もそのオファーを受けているんだから、これは凄いことですね。

育成年代にもバスク代表はある

引用元:http://fbstatic.net/wp-content/uploads/2015/04/DSC_03881-500×330.jpg

日本で都道府県選抜や地域選抜に選ばれるように、バスクにも、県選抜、バスク選抜、そしてスペイン代表というように育成年代においてもあります。

彼ら選手にとって、日本の子ども達と同様、選ばれるというのは光栄なことであり、自信にもなることです。

けど日本と違うのは、本当に選ばれてるということ。

例えば県選抜。どう選ばれるかというと、いつの間にかスカウティングが試合を見に来ていて、いい選手をチェックしている。そして、これも日本と違うのだけれども、選抜の活動の日の1週間前に招集がかかるというもの。

そしてその活動も日本とは大きく異なり、練習したりとかしません。ただ選抜集めて、試合する、それだけ。日本みたいに育成の目的ではないんです。

そんな彼らもやはり、バスク代表になるというのは幼い頃からの1つの憧れでもあり、名誉であるようです。

なので今回の試合も当然こちらの人からしたら注目しているわけですね。

驚きのメンバー構成

試合当日、もちろんコロナの影響でスタジアムは無観客なのでテレビで観戦。けど、サッカーの試合情報が載っているアプリを見ても、キックオフ時間はおろか試合があることすら載っていない。。。

これは困ったなと思い、バスクサッカー協会のページに。

流石にここには載っていました。

けど放送はどこがしてくれるんだ??と思ったけど、間違いなくバスク放送局はやるだろうと、ローカルテレビ局のチャンネルをポチッ。

予想通り、やってました。

アナウンサーが色々喋っている、試合の見どころやなんやらと。

それを聞いた私

?何を言ってるんだろう」

全然何をアナウンサーが言っているのかわからん。

なぜなら、バスク語で話されているから。なんと、スペイン語使わないのね、さすがバスク放送局。と思いながら、メンバー発表の時間へ。

まず相手チーム。コスタリカ代表って誰がいたかな?なんて思っていたらいきなりビックネームが。

「ケイロル・ナバス」

まじか、ナバス、コスタリカ代表だったか。普通に出るんだ。これは凄いなと。ちなみに彼は現在パリ・サンジェルマンの正GKです。

そして次は、バスク代表側。

これもまた、驚きというか、ほとんどの選手がアスレチック・ビルバオの選手。そこにレアル・ソシエダの選手が加わっているという印象。けれどもそのメンバーも豪華。スペイン代表にも入っていた、ムニアイン、ウィリアムスといった選手だけでなく、錚々たる面々が。

ちなみにこの週は代表ウィークなので、現在スペイン代表で活躍しているGKウナイ・シモンや FWオヤルサバル、DFのイニゴ・マルティネスなどはバスク人だけど、スペイン代表に招集されているので流石にそちらに。

もしそのあたりのメンバーもいたら凄いだろうなと。

実際試合を見てみた感想

引用元:https://e00-marca.uecdn.es/assets/multimedia/imagenes/2020/11/16/16055596999305.jpg

さて、試合はどうなるかな。流石に一国の代表には負けるだろうなと思いながら、実際に試合を見てみることに。

キックオフされ試合が進む。

実況解説はもちろんバスク語。何を言っているかわからない。

ここでちょっとした興味が。

「ピッチ内で選手は何語喋ってるんだろ?やっぱりバスク選抜だからバスク語かな?」

ちなみに、普段バスク州の多くの地域ではスペイン語を使います。けど学校の授業はバスク語、そして田舎に行くとバスク語というような生活を彼らはしているので、バスク語もスペイン語も話せます。

無観客なこともあって、選手のコーチングなどをよーく聞いてみると、

「あ、スペイン語だ」

ということでサッカー中はスペイン語を使うようですね、バスク代表でも。

さて、試合は早速動きが。

開始12分、バスク代表先制。見事なサイドからの攻撃でゴール。

その後はゴールはなかなか入らず。けど見ていて少し思ったことが。

「いくらかの選手は、あまり本気じゃないな」と。

もちろん、何もかかっていない試合なので、こちらの文化的にもあまり本気にならないというのもあるけれども。

バスク代表というくらいだから、その誇りを懸けて戦うというようなイメージを勝手に持っていただけに少し残念。

そう思って見ていると、70分、コスタリカがゴール。

これによって、両チームに火がついちゃいました。

一気に激しさが増して一進一退の攻防に。

「これこれ、これがバスクのイメージだよ」

と思いながら見ていて、アディショナルタイム、バスク代表のコーナーキック。

蹴られたボールはニアポストの方へ、それをバスク代表の選手が頭で合わせ、ゴール。劇的な幕切れでバスク代表が勝利。

めちゃくちゃ喜ぶ選手、スタッフ。これがバスク代表かと思わされました。

そして何より、コスタリカ代表に勝ってしまうという結果にも驚き。普通勝てませんよ、先ほど言った通り人口的には長野県代表ですよ。(長野を悪く言っているわけではありませんので悪しからず)

バスク代表の試合は今では年に1度だけしか行われず、1つのフェステバルみたいなものでもあります。日本ではまずみることができないこの試合を、留学に来たり、またタイミングよく旅行に来たらぜひ見てみてください。

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