スペインのサッカー

日本のサッカーの技術とスペインのサッカーの技術の考え方の違い

日本とスペイン、サッカーの文化も違えば、その歴史の長さも異なります。日本からしたらスペインの方がレベルが高く、10年以上先を行っているとも言われます。

また、近年はJリーグにもスペインの選手や監督、育成年代にも指導者が多く介入してきています。

日本は技術力では他国に負けないだろ、というような声をよく聞きます。そして日本を知るスペイン人指導者の方々の多くはこのように反応します。「うまいけど、それって」というように。

今回は日本とスペインでのサッカー技術の考え方を紹介し、日本の選手の皆さんにも、またスペインへの留学を考えている選手にも参考にしてもらえたらと思います。

日本でうまいと言われる選手とスペインでうまいと言われる選手

引用元:https://www.football-zone.net/wp-content/uploads/2019/10/20191024_nakai-matsuoka.jpg

日本の有名な指導者の方と話している時に、こういう話題になったことがあります。現在レアル・マドリードの下部組織で活躍する中井卓大選手が年代別日本代表に選ばれて一時帰国し、プレーしたときの事です。

「中井選手って、別に普通だよね、何でレアル・マドリードで評価されちゃうの?」と。

多くの指導者の方々がそのように思っていたようです。しかしそれは仕方のないことかもしれません、なぜならば日本で(すべてではありませんが)上手いと思われるのは、足元の技術に優れていて、1人で突破していける、得点を取れるというような選手です。

つまり魅せることのできる選手。しかし、中井選手の持っている武器はそこではありませんし、スペインで評価されているのも別の部分です。もちろん足元の技術もしっかりしていますし、そうでなければレアル・マドリードでプレーできません。

彼の持っている武器というのは、情報の量の多さであり、その判断に間違いが少ないことでそれがスペインで上手いとされる選手です。レアルではその質が高いからこそいい選手であると評価されているのですね。

日本の技術は足元の技術

先述した例もそうですが、日本でいうサッカー選手の技術=足元でボールを扱う技術という観念が根強くあります。それは日本のサッカーの歴史的に見てもそうですし、決して悪いと言っているわけではありません。

例えば、小学生、中学生の頃、どんな練習をしていましたか、もしくはしていますか?

ドリル形式のドリブルでコーンをかわしてく練習、1vs1のトレーニング、対面でのパスなど、個人の実行技術をトレーニングすることが多いのではないでしょうか?

ドリブルに特化したスクールがあったり、とことん実行する部分に関する技術を突き詰めていく傾向にあります。特に日本はドリブルが大好きですね。

私も中学生くらいまではよく練習していました。そしてドリブルというと、1vs1で相手を抜くことをドリブルと考えている人はまだ多いのではないかともいます。

その実行技術が、ドリブルで相手を抜くことが日本では技術と言われ、それに優れている選手が上手い選手であると言われています。

(何度も言いますが、一般的にです、そうでない指導をしている方もいらっしゃいます)

ではスペインではどうでしょうか?

スペインの技術は個人戦術としての技術

スペインの上手いプレーヤーといえば誰が思い浮かぶでしょうか?イニエスタ、シャビ、今であればサウール、ロドリゴなどなど中盤のプレーヤー以外にも多くの優れた選手がいます。

スペインそれらの選手、またスペインでうまいと言われる選手は、サッカーを理解している選手です。

例えばイニエスタであれば、ボールを受けた時にはすでに何をすべきかが分かっています。そういうプレーを実際、ヴィッセル神戸でプレーする中でもやっていますよね。

スペインでよくやる練習は、ロンド、ポゼッション、相手がいない状態でのビルドアップからシュートなどで、ドリブルだけのトレーニング、パスだけのトレーニングなどはほとんど行いません。

つまりスペインではよりグループの中でどうプレーするべきかという個人戦術をトレーニングします。

もう少しその個人戦術を説明すると、例えば相手が自分にプレッシャーをかけてこず、スペースを自分が持っているとします。

そこで相手を引きつけて味方をフリーにしてチームを相手コートへと前進させる、そのために運ぶドリブルを選択する、これが個人戦術です。

その判断をするためにも、周囲を見て状況を認識し、正しい選択をするということが大切ということです。

つまり、その個人戦術が高いほどサッカーを理解している選手であり、うまい選手であると言われます。

どちらがより重要なのか?

日本の長所である個人の実行技術の部分と、スペインの長所である個人戦術の部分のどちらがより重要なのか、その答えは簡単で、重要なのは間違いなく実行技術なのです。

え?と思われる方もいるかもしれませんが、理由は当然あります。

スペインでも有名なサッカーの名伯楽、ミケル・エチャリ氏とこのテーマについて話をしていた時、このようにおっしゃっていました。

「サッカーには大事な要素がたくさんある、サッカーの知識を持つ、個人戦術、チーム戦術理解、まわりを見て情報を収集する、適切な状況判断をする。しかし、それをボールを持って最終的に実行できる技術がなければなんの意味もなさない。」

確かにその通りで、いくらどのようにプレーするべきか、サッカーを分かっていたとしても、ボールを持った時にミスをしていたり、正確にできる、相手を剥がせる個人の実行技術という道具を持っていなければ役に立ちません。

そう考えると、日本の指導って正しい方向でやっていたんじゃないかと思いますよね。

しかし皆さん、ここで疑問に思うでしょう。では日本はなぜスペインよりサッカーのレベル的に劣るのか?

そこにはたくさんの要素があるのですが、今回のテーマに絞って話をすると、日本は実行技術の部分だけを高めてしまうケースが多いということです。

そのために何が起こるかというと、その技術をどこで正しく使うのかが分からなくなっているのです。そのため技術を持っていたとしても、宝の持ち腐れになってしまっているのが現状です。

一方スペインはどうかというと、リーガエスパニョーラとJリーグを見比べれば分かります。Jリーグの選手よりも、明らかに実行技術のレベルが上手く見えます。パスのスピード、正確性、ロングキック、ドリブルでの仕掛けなどなど一級品のものが見れます。

なぜかというと、きちんと実行技術の練習をしているからです。ただ練習のやり方が違うということですね。ロンドやポゼッションなどの中でも実行技術は学べるのです。

むしろそのような練習の方が、生きたサッカーの中で必要に迫られて使える技術を身につけるともいえます。それと同時に個人戦術も学べるという一石二鳥ということです。

日本でもできること

スペインへ留学に来たい、挑戦してみたいと考えている人、また日本にいてもサッカーのレベルとどんどん上げたいという人は、日本でのトレーニングを少し変えてみることをお勧めします。

まずは、スペインのサッカーを観るということ。今の時代世界のサッカーは簡単に見ることができます。画面越しにはなりますが、そうやってトップレベルのサッカーを見ることは勉強になります。

見る時に大切なのは、「なぜ?」を突き詰めることです。なぜ今この選手はそういう判断をしたのだろうか、ボールを受ける前に何をしてたのかなど、疑問を持ってみると、サッカーが見えてきます。煌びやかなドリブル、シュートなどだけに注目しないようにしましょう。

そしてもう一つが、チームのトレーニングの中で考えながら行うということ。自分のプレーだけでなく、状況を把握できるようにプレーする、そしてできれば、カメラで撮影して振り返るといいでしょう。

まとめ

実際にスペインと日本の技術の違いを感じたいのであれば、サッカー留学に行くことです。指導者も同じです。

留学に来る選手はまず、身に付けておくべき個人戦術が備わっていない点でつまずきます。グループに入ってもどう動くべきか分からないのです。そのためパスが来ないんですね。よく言われる信頼されてない、という理由だけではないのです。

それをいつから学ぶのかということは、やはりサッカーを本気でやっていこうという人にとっては差となります。日本の優れた武器である実行技術、そこにスペインの考え方を加えれば鬼に金棒です。それを知るためにも、サッカー留学はお勧めです。

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