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スペインバスク独特の文化 言語編

バスクはスペインの北部、フランス寄りに位置し、スペインの自治州のうちの1つとなっていますが、元々1つの国として存在していました。

日本では最近TV番組でグルメの面で取り上げられて少しずつ知られていますが、世界的には独特の文化を持った有名な地域です。

彼らは自分達の州のことをPais Vasco (pais=国 Vasco=バスク)バスク国と呼んでおり、スペイン全国ネットのニュースなどでもそのように呼ばれています。

また、自分達のことをバスク人であると言います。そしてそのことに対して誇りを持っています。

バスク人の友人に「スペイン人は日本のサッカーのことどう思ってるの?」などと聞くとこう返されます。

「スペイン人のことは知らないけど、俺達バスク人は~」と、このような形でスペイン人だと自分達のことを思っていません。

「君たちスペイン人は明るいよね」などとうっかりスペイン人と言ってしまうと不機嫌になる人もいるので、注意が必要です。

バスクは彼ら独自の言語であるバスク語を持っており、日本のような地域による方言ではなく、単語の意味や発音、文法まで全て異なる1つの言語です。

現在では公用語はスペイン語ですが、地域によってはバスク語しか喋らない場所、スペイン語を使ったら冷たい目で見られる場所もあり、それは後ほどお伝えする悲しい歴史にも関係しています。

今回はそんなバスクの独特の文化の中でも、バスク語について普段の生活からサッカー現場でも出てくるものまで紹介します。

バスク語とは

バスク語とは字の通り、バスク地域で使われるバスクの公用語です。現地ではバスク語のことをEuskera(エウスケラ)と言います。

街中を歩いているとスペイン語っぽいけどなんか違うな?というような文字を見かける事が多々あります。これがバスク語です。

バスク語はスペイン語と同じくアルファベットを使用していますが、文法や単語などは全く異なる違う言語です。

例えば太陽という単語。スペイン語であれば  Sol(ソル)ですが、バスク語ではEguzkia(エグスキア)となります。全然違いますよね。

日本語と似ている

語学学校に通っていた時、バスク人の先生から「日本語ってバスク語に似てるよね」とよく言われました。その方は日本語が喋れるわけでもないのですが、感覚的にわかっていたようです。

そうなのです、なんと日本語とバスク語は共通している部分が多く、日本人からしたら意外と使いやすい(覚えられるかは別にして)言語です。

その共通点の1つが文法です。日本語は「私は サッカーが 好きです」というように主語+修飾語+述語の順になります。

スペイン語を含めてほとんどの外国語は「私は 好きです サッカーが」と主語+述語+修飾語の順になりますが、バスク語は日本語と同じ並びになるのです。つまり日本人が外国語を学ぶ上で最もストレスになる部分が解消されるという事です。

また、「が行を使う」、小さい「やゆよ(ちゃ みたいに)」というようにスペイン語にはなく、日本語にはある発音もバスク語では共通しています。

また、日本と同じようにローマ字読みを普通にするだけですので、ストレスなく発音することができます。

このような点からも日本人にとってはバスク語が、またバスク人にとっては日本語が実は学びやすい言語と言えます。

バスク語を教える教育文化

バスクは地域によって公用語が異なります。例えばビルバオやサンセバスチャンなどの都市部では基本的にはスペイン語が公用語として使われています。バスク語は挨拶や子ども達が通う学校で使う程度ですが、街中でもたまに聞こえてきます。

しかし、少し外れて田舎に行くと逆にバスク語が公用語となり、スペイン語が聞こえてくる事がなくなります。このようにバスク内でも地域によって公用語が異なっています。

バスク語は地域によって使用頻度が違うものの、しっかりと現代に引き継がれて使われていますが、そこには悲しい歴史、そして引き継ぐ取り組みがなされています。

続いてその歴史、取り組みについて紹介していきます。

失われたバスク語の歴史

1936年にフランコ政権が誕生し、スペインの内戦が始まり実権を支配して以来、約30年間に及ぶ長期間バスクは自治権を奪われ、迫害を受け、バスク語の使用は禁止されていました

学校で教えることも、道端でバスク語を話すことも禁止です。もし見つかったら牢獄に入れられていました。日本が戦時中に満洲国を作って統治していたときに、日本語を強要していたのと同じです。

知人のおばあちゃんはその当時のことをよく話ししてくれます。「本当にあの頃は辛くて悲しかった、私たちの権利を、国を奪われたんだよ」と。

悲しい歴史によって、その年代に育った方々は今では70代以上になっていますが、バスク語を話せないのです。

スペイン人としての人生を強要されたのです。言語というアイデンティティを奪われた彼らは、どれだけの苦しみを与えられたことでしょうか。

学校での取り組み

フランコ政権崩壊後、バスクでは自分達の文化を、アイデンティティを取り戻そうという動きが活発になり、学校でのバスク語教育も再開されました。

今では、学校で話す言語は基本的にバスク語です。授業もバスク語で行われています。

しかし面白いことに、ビルバオなど都市部の子供たちは学校を一歩出るとスペイン語で会話を始めます。もちろんサッカーのグラウンドでもスペイン語です。

つまり学校ではバスク語、家庭や一般生活ではスペイン語と小さい頃からこれが染み付いているため、両方使いこなせるというわけです。

田舎部では一般生活でもバスク語を話しますが、スペイン語もしっかりと教育されています。

ですが、都市部と田舎部ではバスク語レベルが違うようで、サッカーの試合で田舎のチームのグラウンドへ行くと、選手たちは言います。

「やばい、あいつらバスク語レベル高すぎて何言ってるかわからない。」と。

同じバスク人だろと思いますが、これくらい差があるようです。

やはりどの言語でも同じですが生活で使うバスク語と1つの学習として使われるバスク語ではその習熟は違うということですね。

よく使うバスク語 挨拶編

バスク州では生活の中に当然ですが、バスク語が使われています。基本はスペイン語を使いますが、挨拶などちょっとしたところにバスク語が混じっています。

ここでは日常生活でよく使うバスク語挨拶を紹介します。サッカー留学にバスクに来た時には必ず耳にする言葉ですので覚えておきましょう。

日本語 スペイン語 バスク語
やあ Hola (オラ) Aúpa (アウパ)
ありがとう Gracias (グラシアス) Eskerik asko(エスケリカスコ)
またね Hasta luego(アスタ ルエゴ) Agur(アグール)
おめでとう Felicidades(フェリシダデス) Zolionak(ソリオナク)

特にアウパ、とアグールは頻繁に使います。この2つの挨拶はスペイン語以上に使うので覚えておくといいでしょう。

住んでいるとこの挨拶が普通になり、スペインの他の地域でも使ってしまって恥かしい思いをしたことが多々あります。バスク以外では通じませんので注意してくださいね。

よく使うバスク語 サッカー編

サッカーの練習や試合中でもバスク語を使うことはありますが、ビルバオなど都市部では99%スペイン語で、たまに単語でバスク語が出てくるという程度です。

先述したように田舎に行くとそれは逆転しますが、こちらにサッカー留学に来てもスペイン語さえ勉強しておけばコミュニケーションは十分に取れます。

都市部でサッカー現場で使うバスク語は、本当に少なく、ボール、プレーを褒める時、数字を言うときくらいです。そのほかは使いません。

なぜならばサッカーはもともと海外から来たものであるため、独自の言語を作っていないことも関係しています。

日本語 スペイン語 バスク語
ボール balón(バロン)  bola(ボラ)
ナイスプレー muy bien(ムイ ビエン)  os ondo(オス オンド)
1 Uno(ウノ) va(バ)
Dos (ドス)  vi(ビ)
Tres  (トレス) ir(イル)

まとめ

バスク人のアイデンティティの1つでもあるバスク語は、彼らが教育としても力を入れるほど大切に守り、受け継いでいこうとしているものです。

そして日常生活の中にも出てくるバスク語は彼らだけでなく、外国人である私たちをもバスクの一員になったような感覚を与えてくれます。

バルでは少しバスク語を使うと「お、お前しゃべれるのか、よし今日はタダでいいぞ!」というようなお得なことが起こることもありますよ。

バスク地域にサッカー留学で来る前には、スペイン語メインで学ぶことは当然ですが、今回紹介したバスク語程度でいいので覚えておくといいでしょう。彼らの文化を知るという意味でも、心を掴むという意味でも是非お勧めします。

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