スペインのサッカー

アスレチック・ビルバオの魅力~フィロソフィそしてファンの存在~

バルでサッカーを見ていると、おじさんたちによくこのように聞かれます。

「おい、君はどこのファンなんだい?」

この質問には慎重に答えないといけません。そしてこう答えます。

「何言ってるんだい、アトレティに決まってるだろ!!」

(アトレティとはアスレチックビルバオ の呼称)

そしておじさんたちは

「おーわかってるじゃないか!!仲間だな!!」

と。本当はバルセロナとかマドリードが好きだけれども…(今はアトレティファンです)

ビルバオではアスレチック・ビルバオは絶対的な存在であり、皆が愛するクラブです。今回はビルバオに留学に来るのであれば必ず知っておきたいアスレチック・ビルバオについての基本知識をお伝えします。

バスク人のみで戦う純血主義フィロソフィ

スペインバスク州は以前は1つの国として存在しており、バスク国出身の人々をバスク人と呼び、今でもその呼称は使われ続けています。

バスク人の特徴は筋肉隆々で力強く、サッカーもよりダイレクトなスタイルで勝利に対して貪欲であるという特徴があります。

アスレチック・ビルバオはクラブのフィロソフィとしてバスク人でのみチームを構成するという純血主義を掲げています。

ちなみにバスク州の人口は200万人程度で、長野県や岐阜県程度の人口です。つまり県選抜でリーガエスパニョーラを戦っているようなものです。そう考えるだけでいかにすごいことかわかると思います。

日本だけでなく、世界的に見てもトップリーグに所属していてそのような哲学で戦っているクラブはありません。

バスク人の定義

バスク人のみで戦っていると紹介しましたが、その定義は少しずつ変更されています。以前はバスク人=バスク人の血を持つ選手としていましたが、今ではバスク生まれや、バスク育ちの選手であればOKとなっています。

つまり、両親が外国籍だとしてもバスクで産まれて育ったら良いということです。また、バスク育ちの選手というのは18歳までバスクでプレーしている選手のことを示します。

例えば日本人であっても小さい頃からバスクで育ちプレーしていたら選ばれる可能性も定義上ではあるということです。

完全な純血とは言い難い部分はありますが、人材を確保するための最小限必要な決断であったようです。

ファンの存在の大きさ

アスレチック・ビルバオはファンが運営するクラブ

引用元:https://cms.athletic-club.eus/uploads/2019/06/insignias1920-1024×576.jpg

アスレチック・ビルバオについて語る時、ファンの存在を外すことはできません。ファンの存在はクラブの運営にも大きく関係しており、何故ならばアスレチックビルバオは、ソシオと呼ばれる組合員(ファン)によって経営されているからです。

つまり株式会社された会社ではなく、ソシオの中から選挙で会長を決め、ルールを決めて運営されているということです。

株式化すると、プレミアリーグの多くのクラブのようにオーナーが多額の資金を投入して選手を集めてクラブを強化しますが、アスレチックビルバオはそれを行いません。

なぜならばこのクラブは誰か一人の所有物ではなく、バスク人みんなのクラブであるからです。

ちなみにソシオで運営されているスペインの他クラブはレアル・マドリード、バルセロナ、オサスナがあります。

アスレチックビルバオという存在を愛する

引用元:https://static.deia.eus/images/2019/01/31/ath-fem-vs-atm-bor48_1.jpg

ビルバオのほとんどの人々はこのクラブに対して深い愛情を持っています。バルや道端で、子どもから大人まで週末の試合の結果や何が良かった悪かったと語り合います。

街を歩いていてもチームのジャージやユニフォームを纏った人、ロゴの入った服を着ている人たちをすぐに見つけることができ、試合の日には大行列がスタジアムまで出来上がるといのが日常の風景です。

語学学校の先生にこんな人がいました。私がサッカーの話ばかりしていると先生が、「私はサッカー好きじゃないのよね、けどアトレティは好きよ」サッカーは好きじゃないけど、クラブは好きであるというのです。アトレティという存在の大きさを感じますね。

もはやビルバオの人にとっては、産まれた時からアスレチックビルバオがあり、その話を聞かされ、試合や練習を見に行き、日常の中にそのクラブが存在しているのです。

なので単なるサッカークラブ以上のものとして、皆に愛される存在になっていると言えます。ここまで多くの人々に愛されるクラブは、日本にはないでしょう。

歴史

オリジナル10クラブ

引用元:https://blogs.deia.com/momentodecisivo/files/2011/07/n_athletic_club_de_bilbao_la_historia-17255.jpg

アスレチック・ビルバオは1898年に創立された100年以上の歴史を持つクラブであり、イギリスに渡った留学生たちがサッカーをバスクに持ち込んだことから「アスレチック」という英語がそのまま使われています。

1929年にリーガエスパニョーラが創設された当初、10チームが1部リーグに所属が許され、そのオリジナル10の1つとして選ばれたのがアスレチック・ビルバオです。

他にはレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコマドリード、RCDエスパニョールなどが選ばれていました。

今年で90周年を迎えたリーガエスパニョーラですが、アスレチック・ビルバオがすごいのは、

「一度も2部に降格したことがないクラブ」

なのです。他に降格したことのないクラブはバルセロナとレアル・マドリードの2つのみ。

しかし考えてみてください、その2チームの資金力は世界最高峰であり、選手を世界中から集め、世界選抜のようなチームです。

一方ビルバオはバスク人のみのチームで県選抜のようなチームなのです。そのチームが世界最高峰リーグで90年間1部で戦い続けているということ自体がすごいことです。

タイトル

引用元:https://www.aupaathletic.com/media/el-club/museo/trofeos-atheltic-club.jpg

アスレチックビルバオが近年獲得したタイトルは2015年スーペルコパでリーグタイトルは長年獲得していません。ヨーロッパリーグの出場権を獲得する6位前後でフィニッシュすることが多くなっています。

しかし過去には素晴らしい成績を残しており、リーグの優勝回数はマドリード、バルセロナ、アトレティコについで4番目です。

コパ・デル・レイ (日本でいう天皇杯)ではバルセロナに次いで2番目の優勝回数を誇っています。

歴史がただあるだけでなく、しっかりと結果を残しているスペインのサッカー史の中でも重要なクラブとして位置付けられています。

タイトル名 獲得回数
プリメーラディビシオン 8回
コパ・デル・レイ 23回
スーペルコパ・デ・エスパーニャ 2回
ラ・ペケーニャ・コパ・デル・ムンド 1回

 

バルセロナも恐れるサン・マメス スタジアム

サン・マメスはアスレチック・ビルバオのホームスタジアムで、通称カテドラル(大聖堂)と呼ばれており、多くのアウェーチームから恐れられているスタジアムです。

今年(2019-20シーズン)の開幕戦でバルセロナがサン・マメスに乗り込んで敗戦したというのは世界中でもニュースになりました。

サン・マメススタジアムは2013年に以前のスタジアムを建て直して作られたスタジアムで、収容人数53,332人のサッカー専用スタジアムで、デザイン的にも特徴的で、ビルバオを象徴する建造物の1つともなっています。

建物だけ見ると綺麗でデザインチックであるスタジアムというだけですが、いざ試合の日となると、そのスタジアムの中に漂う熱気と独特の雰囲気は言葉ではうまく表すことはできませんが、相手選手とさらに審判までもを委縮させてしまう力があります。

サン・マメスでの試合はその場所にビルバオの人々の魂のようなものが集まる、そいう表現しても言い過ぎではありません。それくらい特別です。

バルセロナのカンプノウ、レアル・マドリードのベルナベウなどにも行ったことがありますが、サン・マメスは独特ということができます。こればかりは実際に来て感じてもらわないとわかりません。

以前留学に来た中学生が全日程を終了した後、最も印象に残っていることは何か聞きました。すると、「サン・マメスの熱気」と。真冬に観戦したのに、しかも自分のプレーのことでもなく、見た試合の内容でもなく、熱気と。

感受性の高い年代の子にダイレクトに感じてもらえる、熱がサン・マメスにはあります。

まとめ

アスレチックビルバオについてその歴史を含め魅力を紹介するには、本1冊書いても足りないほどあります。

ただ、もっとも簡単に、そして正確に魅力を知る方法は、実際に彼らの試合を見ることであり、そのファンたちの情熱と愛情を空間を共有することで感じることです。

これに勝る方法はありません。

 サッカー留学でビルバオに来る前には今回紹介したことの知識程度は持っていて損はありません。こちらで試合を見るときや、ビルバオのクラブに接した時にその意味を感じることができるでしょう。

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